秋の山歩きやキノコ狩りの季節になると、美味しい天然キノコを探す人も多いでしょう。しかし、その中に紛れているのが強い毒を持つ「ツキヨタケ(月夜茸)」です。見た目が食用キノコにそっくりなため、毎年中毒事件が発生しています。
この記事では、ツキヨタケの特徴・見分け方・中毒症状・安全対策について詳しく解説します。
ツキヨタケとは?
ツキヨタケ(学名:Omphalotus japonicus)は、日本各地の山地に自生する毒キノコです。傘の直径は6〜15cmほどで、初めは半球形、成長すると平らに開きます。名前の由来は、暗闇で淡い緑色に光ることから「月夜茸」と呼ばれています。
- 発生時期:夏から秋(7月〜10月頃)
- 発生場所:ブナやナラなどの枯れ木、倒木
- 分布:北海道から九州までの日本全国
ツキヨタケの特徴
ツキヨタケは一見食用のヒラタケやシイタケに似ているため、誤食が多発します。見分ける際には、以下のポイントに注目してください。
1. 傘の色と形
傘は黄褐色から暗褐色。表面に同心円状の模様があり、古くなると黒ずみます。
2. ひだ(裏側)の色
裏側のひだは白色〜淡いクリーム色ですが、時間が経つと紫がかった色に変化します。
3. 発光性
夜間や暗所で観察すると、ひだが緑色にぼんやり光るのが最大の特徴です。(ただし、すべての個体が強く光るわけではありません)
4. 生える場所
ツキヨタケは木の幹や倒木に群生します。一方、ヒラタケやシイタケは生きた木や原木栽培で見られます。
ツキヨタケの毒性と中毒症状
ツキヨタケには「イロジンS」という毒成分が含まれています。この毒は熱や調理では分解されず、加熱しても危険です。
主な中毒症状
- 吐き気・嘔吐
- 激しい下痢
- 腹痛
- 頭痛やめまい
症状は食後30分〜2時間程度で現れ、数時間続くことがあります。命に関わることは少ないものの、脱水症状やショック状態を起こす危険があります。
ヒラタケ・シイタケとの見分け方
| 比較項目 | ツキヨタケ | ヒラタケ | シイタケ |
|---|---|---|---|
| 傘の色 | 暗褐色〜黒っぽい | 灰褐色〜白っぽい | 茶色で丸みあり |
| 裏のひだ | 白〜紫がかる | 白っぽい | 白〜淡褐色 |
| 発生場所 | 枯れ木や倒木 | 生木や切り株 | 原木や木片 |
| 匂い | ほとんど無臭 | さわやか | 特有の香りあり |
| 光るか | 光る | 光らない | 光らない |
誤って採取した場合は、夜に光るか確認すると判断しやすいです。ただし、発光が弱い個体もあるため、少しでも不安がある場合は食べないことが大切です。
ツキヨタケ中毒を防ぐためのポイント
- 知らないキノコは絶対に食べない
- 光る性質のあるキノコには注意
- 専門家に確認してから調理する
- SNS情報や見た目で判断しない
- 地元自治体の「毒キノコ注意報」をチェック
もし誤って食べてしまったら?
ツキヨタケを食べた後に体調不良を感じた場合は、すぐに病院へ。また、採取したキノコの残りを持参すると、医師が成分を特定しやすくなります。
まとめ:自然の恵みにはリスクもある
ツキヨタケは見た目こそ美しいものの、強い毒性を持つ危険なキノコです。
毎年、食用キノコと間違えて中毒になるケースが報告されています。
山でキノコを見つけたら、「似ているから大丈夫」ではなく、「知らないものは口にしない」という意識を徹底しましょう。


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