梅雨の時季が近づいてくると、各地で蛍が光り輝きながら舞い飛ぶ姿を目にすることができるようになります。
今までに蛍を見たことが「ある」人は全体の約70%という結果がアンケートなどでデータとして出ております。
ただ、近年稀少な昆虫となっており、10代、20代の若い世代ほど、見たことが「ない」割合が大きくなっている傾向なので、このまま、蛍の数が少なくなると見たことが「ない」割合がますます大きくなってしまうことも予想されます。
日本では夏の季語や風物詩として古くから親しまれてきた蛍ですが、その生態などについては今なおたくさんの“謎”が潜んでいるといいます。
どうして蛍は光る???のかなど、3つの大きな疑問について調べてみました!
蛍はなぜ光るのでしょうか?
蛍が発光するしくみは、化学反応によるものです。
蛍の場合は体内の『ルシフェリン』という物質が酸素と結びついて光を出し、『ルシフェラーゼ』という酵素がその反応を手助けしているのです。
ゲンジボタルの成虫の場合、ルシフェリンは身体全体に、ルシフェラーゼは尻の部分に白く見える『発光器』の中に存在します。
ルシフェラーゼは蛍によって性質に違いがあり、よく見られる黄緑色以外にも、黄色や赤色などの色を発光する種もいます。
同じゲンジボタルでも、明滅の間隔が東日本では4秒、西日本・四国では2秒、そして、特異的に長崎県の五島列島では1秒と大きな違いがあり、気温や個体密度が高いほど短くなるといわれています。
間隔の差は遺伝子がそれぞれ異なるためと思われますが、その明確な理由はいまだにわかっていません。
蛍は成虫だけでなく、さなぎや幼虫、卵までもが光を発します。
最近の研究では、蛍のさなぎは尻だけでなく頭も光り、尻と頭では発光の仕組みが違っていることが発見されています。
蛍が光るしくみや役割には、多くの謎が残されているままです。
今後の研究によってもっと解明はされていくこと思われますので楽しみに待ちましょう!
世界には何種の蛍が生息していますか?
F. A. McDermott が1966年に出版したホタル類の世界カタログに約1900種が挙がっており、以降も多くの新種が発見されていますので、現在は2200種以上となっています。
このうち日本に生息しているのは、ゲンジボタルやヘイケボタル、ヒメボタルなど、約50種です。
ゲンジボタルとヘイケボタルの名前の由来は?
ゲンジボタルの由来には、誰の目にも闇夜にはっきり見える『顕示(けんじ)』や、山伏を意味する『験師(げんじ)』、『源氏物語』や源氏の武将・源頼政(みなもとのよりまさ/1104-1180年)に由来するとか、『蛍合戦』と呼ばれる蛍の群舞を源平合戦になぞらえたなど、複数の説がありますが、どれが由来となったのかはわかっていません。
そもそも、ゲンジボタルという名自体が江戸時代には使われた形跡がなく、近代になってから付けられたようですが、誰がどのような理由でつけたのかわかっていないのです。
また、それに対峙(たいじ)する形で、ゲンジボタルより光が弱く小さな似た蛍がヘイケボタルと名付けられたと考えられます。
この名についても近代に付けられたようですが、誰がいつ付けたのかはわかっていません。
さいごに※ホタル観賞時の注意※
◎気象条件などにより必ず蛍見れるとは限りません。
写真を撮るときは、他のお客様の迷惑、蛍保護のためフラッシュをたかないようにお願いします。
また、蛍のスポットは駐車場が少ないところが多いので公共交通機関でご来場をお願いします。
夜の鑑賞となりますので、近隣住民への迷惑行為は控えるようにお願いいたします。
蛍の生態系を崩すような行為は絶対に行わないようにお願いいたします。
ゴミ等は必ず持ち帰るようにお願いいたします。
場所によっては、草むら、藪みたいなところをかきわけていく場合もありますので、
服装(長袖・長ズボン)に十分、注意を払ってください。
ぬかるみ等もありますので、ビーチサンダルやサンダル等は避けた方が良いと思われます。
虫よけスプレーは事前にやっておきましょう!
◎懐中電灯忘れずに!!!
この時季だけ絶景を見守ろう
蛍はとても繊細な生き物で、全国各地で蛍(ホタル)を守る取り組みがおこなわれています。
また来年も、そして、次の年も、蛍(ホタル)を見続けられるように、そっと静かに見守るようお願いします。
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