レッドマウス病とは?原因・症状・対策をわかりやすく解説【養殖魚の特定疾病】

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レッドマウス病(Redmouth Disease)は、養殖業を行う上で非常に深刻な特定疾病のひとつです。主にサケ科の魚に多く見られるこの病気は、日本の養殖現場でも警戒されています。本記事では、レッドマウス病の原因、症状、予防策、対処法について詳しく解説します。

レッドマウス病とは?

レッドマウス病とは、Yersinia ruckeri(イエルシニア・ルッケリ)という細菌によって引き起こされる感染症です。主にサケやマスなどの淡水魚に感染し、口腔内や鰓(えら)が赤くなることから「レッドマウス」と呼ばれています。

日本では農林水産省によって特定疾病に指定されており、発生が確認されると報告義務があります。

主な感染対象魚種

  • ニジマス
  • サケ
  • アユ
  • その他のサケ科魚類

レッドマウス病の原因

原因菌のイエルシニア・ルッケリは、水温が高くなる春から夏にかけて活発になりやすく、ストレスや水質悪化などが発症を助長します。感染経路は以下のとおりです:

  • 汚染された飼料や水からの感染
  • 感染魚との接触
  • 人や器具を介した伝播

レッドマウス病の症状

症状は魚の種類や感染状況によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです:

  • 口の中や鰓の発赤
  • 眼球突出(ポップアイ)
  • 腹水の貯留
  • 遊泳異常(旋回運動)
  • 食欲不振

初期段階では目立った症状が出ないこともあり、注意深い観察が求められます。

発生時の対応と治療法

レッドマウス病が疑われる場合は、速やかに以下のような対策を取ることが重要です:

  1. 発病魚の隔離: 速やかに健康な魚から分け、拡散を防止。
  2. 水槽・器具の消毒: 塩素系やヨウ素系の消毒剤を使用。
  3. 抗生物質の投与: 動物用医薬品として許可された抗生剤を使用(例:オキシテトラサイクリン)。
  4. 管轄機関への報告: 特定疾病に該当するため、農林水産省や地方自治体に連絡が必要です。

レッドマウス病の予防策

レッドマウス病を防ぐには、日常的な飼育管理が極めて重要です。以下のようなポイントに注意しましょう:

  • 過密飼育を避ける
  • 適切な水質管理(pH・溶存酸素など)
  • 定期的な水槽の清掃
  • ストレスを与えない飼育環境づくり
  • 病気の早期発見・隔離

また、感染拡大防止のため、外来魚や不明な個体の導入には十分な検疫措置を取る必要があります。

まとめ|レッドマウス病は早期発見と衛生管理がカギ

レッドマウス病はサケ科の養殖業者にとって大きな脅威ですが、適切な予防策と早期発見によって大きな被害を防ぐことができます。

感染の疑いがある場合は、すぐに専門機関に相談し、拡大防止に努めましょう。日々の飼育環境の衛生管理が何よりの予防策です。

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