2025年春、日本の太平洋沿岸を流れる黒潮（日本海流）の「大蛇行」が約8年ぶりに解消されたと、気象庁と海洋研究開発機構（JAMSTEC）が発表しました。
ポイント：黒潮の大蛇行は日本近海の気候や漁業に大きな影響を与える自然現象です。
この記事では、黒潮大蛇行の概要から、長期化の理由、そしてその解消による影響までを、詳しく解説します。
黒潮大蛇行とは？
通常の黒潮の流れ
黒潮は、フィリピンの東方から始まり、沖縄・奄美諸島を経て、九州〜本州南岸を流れる暖流です。黒潮は日本の気候・漁業・生態系に多大な影響を与える「海の大動脈」です。
大蛇行とは何か？
黒潮が本州南岸から大きく南へ膨らみ、蛇行する現象が「黒潮大蛇行」です。
- 海水温が低下 → 沿岸の気候に影響
- 魚の回遊ルートが変化 → 漁獲量に大きな変動
- 台風の進路や発達に影響する可能性も
なぜ2025年に大蛇行が解消されたのか？
2017年から続いた大蛇行が、2025年春に解消されました。以下が主な要因です。
1. 親潮との相互作用
親潮の勢力が弱まり、黒潮が本州沿岸に近づきやすくなりました。
2. 海面水温と気圧配置の変化
近年高かった西太平洋の海水温がやや低下し、黒潮の流れが安定したと考えられます。
3. 深層流の構造変化
JAMSTECによると、深層水の密度構造が変わった可能性も示唆されています。
補足：大蛇行の長期化は、気候変動とも密接に関係している可能性が指摘されています。
黒潮大蛇行の解消がもたらす影響
1. 漁業資源の回復に期待
回遊魚（カツオ、サンマなど）が本来のルートに戻ることで、漁場の安定化が見込まれています。
2. 沿岸気候の変化
黒潮が陸側を通るようになると、関東〜東海地方の冬が暖かくなる可能性があります。
3. 生態系バランスの回復
黒潮の戻りにより、沿岸海域のプランクトンや魚類の生態系が再構築されると期待されています。
今後も再蛇行の可能性あり
黒潮の流路は気候変動の影響を大きく受けており、今後も大蛇行が再発するリスクは残されています。
JAMSTECでは黒潮の状態を10日ごとに「黒潮監視情報」として発信しています。
まとめ
- 黒潮大蛇行が2025年春に解消
- 漁業・気候・生態系にポジティブな影響が期待
- ただし再蛇行の可能性もあり、監視継続が重要
今後も注目：気象庁やJAMSTECの情報を定期的にチェックして、黒潮の変化に注意しましょう。
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