おたふく風邪（流行性耳下腺炎）は、子どもを中心に流行する感染症のひとつです。感染力が強く、家族内や学校などで集団感染が起きることも少なくありません。
本記事では、「おたふく風邪の症状」「原因となるウイルス」「合併症」「予防接種の必要性」「大人がかかった場合の注意点」などをわかりやすく解説します。
おたふく風邪とは？流行性耳下腺炎の概要
おたふく風邪（流行性耳下腺炎）はムンプスウイルスによる感染症です。主に耳の下の腫れや発熱を特徴とし、潜伏期間は約2〜3週間です。
感染するとほとんどの人が自然に治癒しますが、まれに重い合併症を引き起こすことがあります。
おたふく風邪の主な症状
- 耳の下（耳下腺）の腫れと痛み（片側または両側）
- 発熱（38度前後）
- 頭痛
- 食べ物を噛むと痛い
- 倦怠感や全身のだるさ
※ 子どもでは症状が軽く済むことが多いですが、大人がかかると重症化するケースもあります。
おたふく風邪の原因と感染経路
おたふく風邪はムンプスウイルスに感染することで発症します。
主な感染経路：
- 飛沫感染（咳やくしゃみによるウイルス拡散）
- 接触感染（ウイルスがついた手や物を介して口・鼻・目から侵入）
感染力が強く、家庭や学校などで広がりやすいのが特徴です。
おたふく風邪の合併症に注意
おたふく風邪は多くの場合軽症で済みますが、まれに以下のような重篤な合併症を引き起こすことがあります。
- 無菌性髄膜炎：頭痛、吐き気、意識障害など
- 難聴：片耳の感音性難聴が多く、治療が困難な場合も
- 睾丸炎（男性）：思春期以降に多く、不妊のリスクも
- 卵巣炎（女性）
こうした合併症を予防するためにも、予防接種は非常に重要です。
おたふく風邪の治療法と自宅でのケア
おたふく風邪には特効薬がなく、対症療法が基本です。
自宅でできる対処法：
- 医師の指示に従って解熱鎮痛剤を使用
- 水分補給をこまめに行う
- 柔らかく、噛まずに食べられる食事を選ぶ
- 十分な睡眠と安静
症状がひどいときや合併症が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
おたふく風邪はワクチンで予防できる
おたふく風邪はムンプスワクチンで予防できます。日本では任意接種ですが、以下の年齢での接種が推奨されています。
推奨接種時期： 生後12ヶ月〜7歳5ヶ月までの間に2回
ワクチンのメリット：
- 重症化や合併症の予防
- 家族や周囲への感染拡大防止
- 長期欠席・仕事への影響を減らせる
大人のおたふく風邪は要注意！
おたふく風邪は「子どもの病気」と思われがちですが、大人がかかると重症化しやすいため注意が必要です。
特に、思春期以降の男性は睾丸炎のリスクがあり、未感染・未接種の方は大人でも予防接種を検討しましょう。
まとめ｜おたふく風邪を正しく知って、しっかり予防
おたふく風邪は軽く見られがちですが、合併症のリスクがある感染症です。ムンプスワクチンによる予防が効果的であり、本人だけでなく家族や周囲の人を守ることにもつながります。
正しい知識と早めの対策で、おたふく風邪の感染拡大を防ぎましょう。
よくある質問（FAQ）
Q. おたふく風邪の潜伏期間は？
A. 通常16〜18日ほどで症状が現れます。
Q. 学校や保育園にはいつから行ける？
A. 発症後5日以上かつ全身状態が良好であれば登校・登園可能です（学校保健安全法より）。
Q. 一度かかればもうかからない？
A. 多くの人は免疫がつきますが、まれに再感染のケースもあります。
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